子供のこと

『俺は悪くない』と泣いた息子が、自分の足で謝りに行った日〜思春期男子とガミガミ母の記録〜

息子の”思春期”始まりました

昔からとにかくままっ子で、
ハグも、添い寝も、お風呂も最近まで一緒だった長男。

兄弟の誰よりも”見て見て星人”で、甘えん坊。

そんな息子も中学2年になって、”年頃”を迎えている。

口を開けば、「うるさい!」「わかってる!」

兄弟にも当たりが強い。

最近は特に、私が一言言っただけでも「イラッ」とした感情で返ってくる。

「あれが嫌。あの先生が嫌。」そんな言葉もよく聞くようになった。

”思春期はそういうもの”と分かっていても、なかなか向き合い方が難しい。

私の感情も息子と同じくらい波打っている。

勉強も部活も、やる気が見えなくてモヤモヤする日々

長男は、勉強が得意なタイプではない。
というか、やる気が無い。

なんとか塾にも通わせているけど、家では全く机に向かおうとしない。

テスト前でもなかなか集中できていない様子で、結果も散々。

一方でスポーツは得意で、運動神経も悪くない。
だけど、波が激しくて、やる気が続かないことも多い。

最近は、「キャプテンになりたい」と言いながら、忘れ物を繰り返したり、ゲームに夢中になる姿を見ると、つい口が出てしまう。

母だって完璧じゃない。子ども相手にムキになってしまう

私は、親からガミガミ言われて育った記憶はあまりない。
三姉妹の真ん中で、自由に、のびのびと育った。

なのに、子どもにはついガミガミ言ってしまう。
しかも、子ども相手に本気で言い合ってしまう自分がいる。

「またそれ?」「そんなんじゃ無理だよ」

気づけば、否定的な言葉ばかり並べていて、自己嫌悪になる夜も少なくない。

分かっているのに、”今は静かに見守る時期だ”と言い聞かせたはずなのに、次の瞬間には口がでている・・・反省。

「好きなことをさせたい」のに現実は難しい

サッカー、野球、ゲムトレ(ゲームの塾)、ゲーム実況(YouTube)

小さい頃から興味の幅が広い長男。

私は「やりたい」を否定したくなくて、なんだかんだ言いながらも、機材を揃えたり、送り迎えや準備、できる範囲で応援をしてきた。

でも、それをずっと続けれるほど現実は甘くない。
兄弟がいて、家計もあって、心もお金もギリギリ。

野球を頑張っている時には、

もっと夜練に行きたい、バッセンに行きたい、グローブがバットが・・

「全部応えてあげたい」という気持ちと、
「できることに限りがある」という現実の狭間で、
私はいつも揺れている。

「全部に答えてあげていたら、情熱も変わっていたのかな・・」
なんて思ってしまう時もあるけれど、現実を理解してもらうことも大切だと今は思っています。

できないことを理解して、自分なりに違う方法を探してくれるのが理想なんだけど・・
なかなかそうはいかない現実です。笑

男の子の思春期は母には理解不能

私は姉妹育ちで、男の子の思春期なんて未知の世界。

イライラして、ムカついて、手が出る…
そんな行動は、正直、今でも理解できない。

「なんでそんなにムカつくの?」
「なんで手が出るの?」
「なんでそんな言い方になるの?」

でもきっと、本人にもわからないのかもしれない。

心と感情がバラバラになって、
言葉にならない何かを抱えているのだと思う。

思春期がゆえに起きた、友達とのトラブル

ある日、仲のいい友達と学校で喧嘩して帰ってきた。
先生からも連絡があり、事の流れは大体つかめていた。

でも、息子は「俺は悪くない」と強がっていた。
口調も表情もいつもどおり。
けれど、どこかソワソワしているように見えた。

翌朝、いつも一緒に登校していた友達が来なかった。
息子は少し寂しそうな背中で「別にいいし」と言って登校していった。

その日の帰宅後、話を聞くと「学校でも全然しゃべらなかった」と。

私は思わずこう言った。

「友達と話せないって、つらいよね…好きな子と話せないより、つらいよね。
仲直りしたいなら、早い方がいいと思うよ。」

その瞬間、息子は声を震わせて号泣。

自分の足で、謝りに行く決断

実は、相手のお母さんとはすでにやりとりしていて、「もう気にしてないよ。」と言ってもらっていた。

でも私は、息子自身が“行動する”経験をしてほしかった

「ちょっと菓子折り持って謝りに行ってくるね」と私が言うと、
息子は少し黙ってから、「俺も行く」と返してくれた。

その言葉だけで、十分だった。

無口で歩く道中。緊張している様子だった。

玄関先の涙とハグ、あの日の成長

家についてピンポンを押すと、友達が出てきた。
いつもの笑顔で「どうしたー?」と、普段と変わらずに振る舞ってくれた。

息子は、その姿を見た瞬間、涙を隠すようにその子に抱きついて、離れなかった。
はっきりとは聞こえなかったけど、「ごめん」と言っているようだった。

私はつられて号泣した。
「やばい親子だな」と思いながらも、心が震えた。

解決のためじゃなく、
「また仲良くなりたい」っていう気持ちを、息子なりにちゃんと自分で伝えられた。

友達も、改めて謝ってくれていた。

その様子は、確かな“成長”だった。

息子自身も、私にとっても忘れられない光景になった。

次の日の朝、いつも通りに友達が来て登校していった。

ぶつかる日々も、きっと親子の絆になる

反抗して、ぶつかって、泣いて、
毎日が感情のジェットコースターみたいだけど…

親子で本気で向き合っているからこそ、
こんなふうに“涙と抱擁”の瞬間もある。

まだまだガミガミ言っちゃうし、
怒鳴りたくなる日もあるけど、
私はこれからも、こうして見守っていきたい。

「母はいつだって味方だよ」って、
時には言葉じゃなく、背中で伝えれるのが私の理想です。

おわりに

  • 思春期の子どもと向き合っているママ・パパ

  • ガミガミしてしまって自己嫌悪に陥っている人

  • 子どもとの関係に悩みながらも、今日も向き合おうとしている人へ

日々、心からお疲れ様です。

なんでも無い我が家の日常が、少しでも誰かの励みや、心の緩みになりますように。